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 国会周辺を頂点とし、全国の津々浦々で連日繰り広げられる反対・抗議運動の中、我が国の安全保障に大きな転換をもたらす諸法案が、近く国会で成立する情勢です。

 私たちは、それに異を唱え、過去と未来を展望した上での平和主義の持続発展を願い、有志の会を立ち上げました。

 戦後の大半の時期に政権を担ってきた政党が長く目指していた憲法改正。最初に、教育基本法の改正がありました。民主党政権のあっけない瓦解を受けてもたらされた巨大与党がリードする国会審議で次々と打ち出された政策に、派遣労働期間の制限緩和、国立大学人文社会科学・教育系組織の大幅縮小、大学における軍事研究の推進、武器の輸出制限緩和、そして安全保障関連法があります。現政権に対し抱く違和感のひとつは、人類が営々として積み上げてきた学問に対する畏敬の念の欠如です。イデオロギーを超えて大多数の憲法学者が憲法違反とする安全保障関連法を押し通す。人間や社会の行為を対象化してそのあるべき姿を追求する人文社会科学を軽く扱う。

 集団的自衛権の行使。軍備拡張を急ぐ外国への対応として、国(民)を守る責任与党としてやむを得ない措置である、というのが政府・政権政党の訴えであるように思います。

 私たちは認識を異にします。「大東亜共栄圏」の旗印の下、アジアの多くの国に大きな傷を与えた過去が、そして世界の多くの場所で歴史上起こったことが私たちに与える教訓は、国家(群)と国家(群)とが力と力を以て対峙する政策の帰するところは戦争であったという現実ではないでしょうか。

 アジアの多くの民を痛めつけ、沖縄や広島・長崎等で多くの国民の非業の死を見たわが国にふさわしい外交は、力に力をもって対するのではなく、たゆまぬ対話を通じて、世界に稀有な平和憲法とその理念を世界に広げることだと私たちは考えます。現実の脅威に目をふさいだ理想主義との批判を受けるかもしれません。しかし、力と力の衝突という構図からは平和は永久に訪れないのではないでしょうか。

 私たちは政治や外交その他について専門家の知見を有していません。日本国憲法の平和主義は今も生きているとの信念から行動を開始します。

 

この行動を、次代を担う学生たちと共に担いたいと願っています。

 

共鳴いただける方を待っています。

呼びかけ人(五十音順)

愛 宕   清(卒業生)

有 山 正 孝(元学長)

伊 東 裕 也(教員 共通教育)

奥   浩 昭(教員 共通教育)代表世話役 

吉 川 和 利(元教員)

島 田   宏(教員 先進理工)

曽 越 宣 仁(教員 共通教育)

佐 藤 美弥子(教員 共通教育)

対 馬 悠 介(院生)

中 川 直 哉(元教員)世話役
橋 本   満(元教員)

藤 井 昇 三(元教員)

水 谷 孝 男(組合委員長)世話役

矢 野 純 子(組合書記)

吉 安 信 雄(元教員)

 

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